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2025年10月1日 | 最新情報

タキオ快道五十三次vol.5 ”海のプロ集団” 海洋エンジニアリングに迫る


海洋エンジニアリング株式会社

みなさん、こんにちはー!

中の人は今、東京都台東区に来ています!

なんでかって?

なぜなら!ここにもタキオニッシュグループの会社があるんですねー(*’▽’)

ということで、今回お話しを聞くのは、海洋エンジニアリング株式会社社長の鬼頭さんです!

海洋エンジニアリング株式会社(以下、海洋エンジニアリング)は、以前タキオニッシュのHPでも「海のお仕事」などの動画を紹介しました。

海のそばで育った中の人、ワクワクしています!

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中の人:鬼頭さん、本日はよろしくお願いします。

鬼頭さん:よろしくお願いします。

中の人:このフロアには、海洋エンジニアリングの他に沿岸海洋調査株式会社とサンエイ・マリン株式会社も入っているんですね。何か意味があるのでしょうか。

鬼頭さん:はい、このフロアには海洋エンジニアリングを含めた3社が集まっています。もちろん意味がありますよ。3社の役割(仕事内容)がヒントです。

中の人:気になりますねぇ。海洋エンジニアリングを知っていくと謎がとけるのでしょうか。

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◆海のプロ集団 海洋エンジニアリング◆

中の人:それでは早速、海洋エンジニアリングのことを教えてください。

鬼頭さん:はい。海洋エンジニアリングは、「海洋」をキーワードとした「企画・提案」「調査」「整理・解析」を一貫して実施し、総合的なコンサルティング・エンジニアリング業務を展開しています。海洋に関する多種多様なジャンルの個性的な技術者がいるため、海の困りごとならかなり幅広い範囲で解決策を提案できますよ。

中の人:海のプロフェッショナルということですね。前回、テクノスルガ・ラボで会社の出発点のお話を聞きました。海洋エンジニアリングの出発点はいかがですか。

鬼頭さん:実は海洋エンジニアリングも違う会社から出発していて、色々な変転を経て現在に至ります。簡単に説明すると、1969年に海底資源開発を含む海洋総合コンサルタントとして芙蓉海洋開発株式会社が創立されて、2008年にタキオニッシュグループに仲間入りしました。その後、2012年に私たちのグループ会社である日本海洋株式会社の調査部門と合流して大型船舶による調査業務を開始、2014年に海洋エンジニアリング株式会社になりました。

中の人:海洋エンジニアリングも出発点は別会社からだったとは。タキオニッシュグループに仲間入りした後も、当初の設立目的である海洋総合コンサルタントの役割が続いているのですね。

◆深海の秘密を解き明かす ―沖合域海洋調査― ◆

中の人:以前、タキオニッシュのHPで海洋エンジニアリングの海のお仕事や、環境への取り組みについての動画を紹介しました。それをきっかけに興味を持ってくださった方もいらっしゃるかと思います。詳しく聞かせていただけますか。

鬼頭さん:まず海洋エンジニアリングの大きな特徴は、民間海洋調査会社では国内で唯一、自社で調査船を保有・管理をしているところです。それらの調査船を使って、海洋の精密海底地形地質調査を行っています。

中の人:海のお仕事動画の前編で紹介していましたよね。

( ◆4分半で世界が変わる【前編】海のお仕事―昭和から令和へhttps://tachyonish.com/news_topics/news_topics/whatsnew/482/ )

鬼頭さん:私たちが保有している調査船では、水深の深い海域での海底地形測量、海底資源探査の広域調査や、海底ケーブルルート調査を行っています。保有船の中には船底に測深機を装備していて、水深11,000mの海域でも精密な地形を把握することができ、それを様々な海洋事業の基礎資料として提供しています。また、深海底の熱水活動を調査するために音響探査でノイズデータを計測したりもしています。

中の人:海底の熱水活動を知るために”音響”を使うのですか?

鬼頭さん:はい、水中は電波が伝わらないので音波を使います。詳しいことはソニックさんに聞いてもらった方が良いかも。笑

これらの探査、調査で得られたデータを解析することにより、海の色々な図面を作ることができます。

中の人:それほどまでの情報を組み合わせると、立体地図ができそうですね。

鬼頭さん:そうですね、多角的で立体的な地図が作成できます。とは言え、調査船を使う目的は地図の作成だけではないんですよ。

中の人:と言いますと。

鬼頭さん:大きく3つあります。

1つめは、魚群量を数値化して推定する技術を活用した漁獲調査に加えて、絶滅危惧種や貴重魚種の保全に貢献するためのデータを取得する【水産資源量調査】です。水産を含む資源探査、開発、保全及び管理については国連海洋法条約で定められているので、それを遵守するための責任ある仕事です。

2つめは、研究目的や発電所等の様々なモニタリング、海底資源採掘等に伴う環境調査を行う【海洋環境調査】です。日本のEEZ(排他的経済水域)内およびその周辺で、様々な装置を使って多くのデータを取得しているんですよ。

中の人:想像以上でした。

鬼頭さん:続けて3つめ。それは【防災関係調査】です。地震や津波による災害からみなさんの生命・財産を守るために、地震発生帯の構造や活動・変動に関する様々な観測を研究機関と一緒に実施しています。海域で発生した地震は、場合によって津波を伴い甚大な被害を及ぼすことがありますので、我々はとても大きな役割を担っていると思っています。

中の人:日本は地震大国ですものね。私も海のそばで育ちましたし、地震や津波からみなさんの生命・財産を守る取り組みの重要性をとても強く感じています。

鬼頭さん:自然とともに生きていく上では、受け入れなければいけない厳しさですよね。

中の人:規模は全く異なりますが、実は私が学生時代に所属していた部活動のひとつに、独自の地震計測器を使って地震予測と観測をする、というものがあったんです。もう少し真面目に活動していれば・・・と後悔することが多かったので、これからはみなさんの活動を応援することで思いを果たしていこうと思います。

鬼頭さん:そうでしたかよろしくお願いします。

◆水面下の事実も捉える —沿岸域海洋調査― ◆

中の人:気を取り直して。沖合域以外での取り組みはありますか。

鬼頭さん:もちろんあります。実は沖合だけでなく沿岸域の海洋調査も得意なんです。

中の人:沖合から一気に浅瀬にきましたね。水があればどこでも調査できるということでしょうか。

鬼頭さん:はい。水たまりから水深1万メートルまで、幅広いジャンルの調査と各種コンサルタントが可能です。これも海洋エンジニアリングの強味だと思いますね。

中の人:沿岸域の海洋調査では、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

鬼頭さん:それは環境調査です。自然環境の状況を正確に計測して、各種発電所、港湾施設、ゴルフ場などの施設に関する海域環境アセスメントを行います。

中の人:生物や生態系にも関わってきそうですね。

鬼頭さん:そのとおりです。私たちの生物調査では、潜水経験が豊富なダイバーさんによって海底生物の生息状況を調査しています。例えば、付着生物や底生生物、サンゴ類の調査です。

中の人:生態系調査はどうでしょう。

鬼頭さん:はい、私たちの生活は色々な生物の生活と密接に関係していて、近年その重要性が再認識されてきています。分かりやすく言うと、生物の生活を守る活動です。例えば沿岸域にある「藻場」や「干潟」には多くの生物が存在していて、産卵場や稚仔魚の生活の場になっています。

中の人:「海のゆりかご」と言うんでしたよね。

鬼頭さん:そうですね。魚の繁殖や稚仔魚の成長に重要な役割を果たす場所です。そして、その場の修復に加え新たに造成する活動も出てきていて、海洋エンジニアリングでは藻場や干潟の造成計画から施工後のモニタリング調査に至るまで手掛けています。

中の人:海のお仕事動画の後編が思い浮かびました。まさに「海と沿岸の生態系を回復させるための取り組み」ですね。

私はこの動画がとても好きで、再生回数にかなり貢献していると思います。

( ◆4分半で世界が変わる【後編】最先端の沿岸調査技術に込めた想い https://tachyonish.com/news_topics/news_topics/whatsnew/492/ )

鬼頭さん:ありがとうございます。観ていただいた方の、豊かで美しい海を守る意識につながってくれると嬉しいです。

◆海中の環境変化を予測する 海洋コンサルタント ◆

鬼頭さん:ここまでは海洋調査を紹介しましたが、私たちは海洋コンサルタントもしています。

中の人:冒頭の紹介でありましたね。

鬼頭さん:はい、魚場の回復や水産資源の生育場の環境改善に向けて、漁場の生産力の回復方法の提案から実施、そして水質や流況のモニタリング調査を年中実施していて、水域環境保全に関する様々な課題解決に向けた提案をしています。

中の人:具体的にはどのような取り組みでしょうか。

鬼頭さん:ここでも大きく3つの課題解決を柱に提案しています。

まず1つめ、湾内の海象データを利用目的に合わせて取得するための、システムの計画・設計・設置を行います【環境システム開発】。

そして2つめ、環境保全の観点から必要不可欠である環境アセスメントを目的として各種調査や情報処理解析を行い、必要なドキュメントを作成するとともに、事業者様の許可申請業務の支援も行います【環境影響評価・情報処理解析(環境アセスメント)】。

3つめは、海洋環境の変化について年間を通じて計測し、水質・流況等のモニタリングも行っていますよ【海洋環境の長期間モニタリング】。

中の人:海のお仕事動画の後編に「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とありました。再生エネルギーへの取り組みもあるのでしょうか。

鬼頭さん:はい。海洋での再生エネルギーにおいては、各地に適した発電施設の導入に協力しています。事業前の検討に加え、事業化後もモニタリング調査を行い、色々な改善提案を作成しています。

中の人:国からも洋上風力発電の取り組みを拡充する方針が示されましたよね。今後、活動の幅がさらに広がりそうですね。

◆海の幸を明日へ育む ―水産施設の設計― ◆

中の人:その他、施設の設計も手掛けていると聞きました。海洋エンジニアリングには建築士も複数名在籍していますよね。確かグループ会社である株式会社ソニックの建屋も設計されたとか。

鬼頭さん:はい、ソニックさんの建屋も設計しました。ですが、本業は水産施設の設計です。栽培漁業センターや水産試験場、各種養殖施設の設計をしています。

中の人:循環機能を用いて海水をろ過する仕組みも、積極的に取り入れているんでしたよね。

鬼頭さん:そのとおりです。地球環境に配慮することは全ての仕事において意識していて、もちろん設計も同じです。その分、一般的な設計とは異なるので大変なところもありますが、成果を生み出せるようにみんなで知恵を出し合いながら取り組んでいます。

★設計事例の一部★

◆陸上でのリサイクルも ―環境機器事業― ◆

中の人:地球環境への配慮といえば、以前、タキオニッシュのHPでスチロールポストの動画を紹介しました。

( ◆“かさばるゴミ”が ”資源”に変わるお話しhttps://tachyonish.com/news_topics/news_topics/whatsnew/504/ )

鬼頭さん:ありがとうございます。発泡スチロールを減容機で加熱圧縮して固めて、再資源化しています。発泡スチロールは軽いですがかさばるし、散らかりやすくて扱いが難しいですよね。とは言え、ただ扱いを楽にするだけでは意味がないので、樹脂の回収・リサイクルルートもご案内し、コストダウンと環境対策を両立させています。こちらも地球の環境保全を願う思いから出発した取り組みです。

中の人:以前、静岡営業所で実際にスチロールポストと過熱圧縮されたインゴット状の発泡スチロールを見せてもらいました。操作も簡単でしたし、発泡スチロールもかなりコンパクトになって、リサイクル意欲が高まりました。

◆会社の垣根を越えたグループ会社との協働◆

中の人:海洋エンジニアリングが、海を守り豊かにする取り組みをしていることが分かりました。ところで、海洋エンジニアリングで全ての業務を行っているのですか。もしかして、このフロアに3社が集まっていることに関係していたり。

鬼頭さん:良いところに気付きましたね。全ての業務は、グループ会社である沿岸海洋調査株式会社とサンエイ・マリン株式会社と一緒に進めています。調査は沿岸調査株式会社と協働で行っていて、その調査船を運航してくれているのがサンエイ・マリン株式会社所属の乗組員さんです。

中の人:会社を越えて協力しているのですね。3社が同じフロアに集まっている謎がとけました。

鬼頭さん:疑問点等をすぐ確認できたり、連絡事項を即座に、且つ密に伝達できたりする環境はありがたいですね。

◆私たちが望む未来 ”だれ一人取り残さない” ◆

中の人:それでは最後に、海洋エンジニアリングの今後の展望についてお聞かせください。

鬼頭さん:私たち海洋エンジニアリングは、現在は日本国内を中心に活動していますが、今後は日本国内に限らず世界を舞台にグローバルに活躍することを目指しています。そのためには、世界中の最新海洋技術を積極的に取り込んでいこうと思います。私たちが望む未来は、世界が望む未来です。これからも水産資源を保護し、生態系を守り回復させ、海の持続可能性を未来に繋げていく取り組みを続けていきます。

中の人:私たちが望む未来を、次世代に確実に繋げていくということですね。まさに“だれ一人取り残さない”ですね。

本日はどうもありがとうございました。

鬼頭さん:ありがとうございました。

◆海洋エンジニアリング株式会社 https://www.kaiyoeng.com/

●海洋エンジニアリング株式会社 代表取締役社長 鬼頭 毅(きとう たけし)●

「好きなことを仕事にしたい!」という情熱を胸に、入水角度45度で海の業界に飛び込んだ正真正銘の“海の男”

趣味や特技は言うでもなく海での遊び。

海の遊びなら全方位完全無欠に得意です!

                        鬼頭さん、キメ顔くださーい(*’▽’)                      

                        『中の人さん、お水も写してね!』

そんな鬼頭さんの社内でのお気に入りスペースも、やはり海を感じる場所。

みんなで海を感じながら気軽に打合せできるところがお気に入りなんですって。

とはいえ、人通りが多いのが玉に瑕とのこと。

 

 

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中の人:鬼頭さん鬼頭さん、せっかくなので鬼頭さんイチオシの海洋エンジニアリングの取り組みを教えてくださいな(*’▽’)

鬼頭さん:はいはい。

ASV(Autonomous Surface Vessel)という無人ボートの運用を開始しています。

無人ボートに色々な計測機器を搭載して、自動操舵(一部遠隔操作)にて動かすことができます。

今後は無人ボートが海洋調査をして、技術者は事務所でお茶を飲みながらデータ解析をするという日が来るんでしょうね。

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♪おまけ♪

港で声をかけると、瞬時にポーズをキメてくれる

鬼頭さん。

いつもは優雅な身のこなしながら、海での動作速度は陸上の1.5倍!

『潮騒に・・・心をゆだねるんです・・・』

了解でーす(*’▽’)/

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